
債券という金融資産がありますよね。株式と対をなすもので、動きが緩やかで満期まで待てばデフォルトしない限りは全額償還されるため守りを固める資産になっています。
投資家の一部クラスとの間では株式や債券からなるポートフォリオにレバレッジをかける投資が人気です。株式と債券は互いに相反する値動きを持つことからポートフォリオ全体の値動きをマイルドにすることができ、その分レバレッジをかけてリターンを追求することができるためです。特に米国株クラスターではアメリカの株式と債券からなるシンプルなポートフォリオでも大きなパフォーマンスを得ることは常識となっています。
しかし、債券の長期のパフォーマンスを見る限り米国のみではなく全世界の先進国債券に幅広く投資をしておいた方が値動きは安定しているような気がします。そのあたりどうなのか、本記事で過去の結果を見ていきます。
シミュレーション
実際にポートフォリオビジュアライザーを使って過去の債券のパフォーマンスを確認してみましょう。
金融資産クラスとして米国債券(Total US Bond Market)と米国除く世界債券ドルヘッジ付き(Global Bond (Hedged))を選択します。
なぜドルヘッジ付を選択するのかといえば、為替で無駄なリスクをとってしまうと両者を同じ土俵で評価することができないためです。
米国債券vs 米国除く世界債券ドルヘッジ付き

グラフを見る限り、米国除く世界債券ドルヘッジ付は米国債券単独に比べてより綺麗な右肩上がりです。
数値もよいです。シャープレシオは米国除く世界債券のほうが勝っています。
(ポートフォリオビジュアライザーが保有している米国債券、米国除く世界債券ドルヘッジ付の国構成やデュレーションがわからないため、厳密な評価とならない点はご留意お願いいたします。)
ただし、他の数値もみると、米国債券単独のよさも見えてきます。
米国債券単独が一番優れている点は最大損失(Max Drawdown)でしょう。-3.99%に抑えられています。一方、米国除く世界債券ドルヘッジ付は-10.03%と大きくなっています。
どうやらリーマンショックやコロナショックの時に株式と一緒に売られてしまったようです。リスク資産のクッションとしてとして組み込まれることが多い債券ですが、肝心な局面でヘッジとしての役割をあまり果たせないようでは少々心もとないですね。
米国株式指数との相関係数ですが、米国債券のほうが-0.08と小さく優秀です。
まとめ
- 米国債券、米国除く世界債券ドルヘッジ付はお好みで決める
- リターンを求めるなら米国除く世界債券ドルヘッジ付
- 最大損失や株式指数との相関係数を優先するなら米国債券のみ。
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